企業のDX化を目指すなら人材育成が必須!DX人材の育成方法について解説

日本企業において、DX化が叫ばれていますが、海外に比べてなかなか進んでいないのが現状です。また、課題と認識していても、企業としてDX化を目指すうえで、何をしたらよいか分からないといった声を聞きます。
DX化促進をしていくにあたり、企業が最初に対応するべきだと考えられるのが、DX人材の育成です。
この記事では、企業のDX人材育成がなぜ必要なのか、また、DX人材を育成するにはどうしたらよいか解説していきます。

DX化促進に必要なDX人材が不足している

DXとは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略で、直訳すると「デジタル変革」を意味します。
ただし、ビジネスにおけるDXとは、単にデジタル技術を業務に取り入れることではありません。
AIやIoT、データ活用などのデジタル技術を活用することで、企業が製品やサービス、ビジネスモデルを大きく変容させ、企業風土まで変えていくのがDXです。
市場における競争優位性を確保するためには、いち早くDX化をしていく必要がありますが、日本は米国をはじめとする先進国に比べてこの対策が遅れているのが現状です。

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が作成している「DX白書2021 日米比較調査にみるDXの戦略、人材、技術」というレポートがあります。これによると、DXを推進していく上で変革を担う人材が、量・質ともに不足している割合が、米国は5割程度なのに比べて、日本は8割程度となっています。DX化を促進していくためにはそれを支える人材が必要となりますが、日本は人材の確保が十分にできておらず、DX化促進に取り組めていないということが分かります。

事業戦略上、変革を担う人材の量と質の確保
参照:https://www.ipa.go.jp/files/000093701.pdf

DX人材とは何か

DX化にはそれを担う人材が必要ですが、DX人材とはどのようなスキルを持った人を指すのでしょうか?
DX白書2021によれば、DX人材は図の7つの職種に定義されます。
デジタル事業に対応する人材(DX白書

参照:https://www.ipa.go.jp/files/000093701.pdf

DX化プロジェクトを推進していくリーダーのプロダクトマネージャーや、企画・立案を行うビジネスデザイナー、データ分析ができるデータサイエンティストなど、複数の職種があります。
日本は全ての職種において、米国よりも人材が足りていない状況ですが、なかでも、プロダクトマネージャー、ビジネスデザイナー、データサイエンティストは、量・質ともに不足感が強くなっています。
デジタル事業に対応する人材の「量」の確保状況DX白書2021

デジタル事業に対応する人材の「質」の確保状況(DX白書2021)

参照:https://www.ipa.go.jp/files/000093701.pdf

DX人材を確保するには

DX人材が全ての職種において不足しているということは、外部からそのような人材を採用しようと思っても、母数が少ないため、ハイスキル人材は奪い合いになってしまい、なかなか採用できないということです。
パーソルホールディングスが発表した、人材ポートフォリオに関する企業の取組の実態調査によると、企業の中核を担う人材の確保について、AI・DX人材の充足度は最も低い結果となったとされています。
参照:AI・DX・高度スキル人材の充足度に課題意識--パーソル調査

DX化プロジェクトを促進していくには、DX担当部署だけではなく組織横断で、様々な人を巻き込んで進めていく必要があります。そのため、外部から採用した場合、DXに関するスキルだけがあっても、その業界の知識や経験がなかったり、社内政治がうまく行かなかったりして、結果ミスマッチが起こってしまうということも考えられます。
そのため、DX人材の確保においては、外部から人材を採用するよりも、自社の社員を育成して足りないスキルを補っていく方が、ハードルが低いと考えられます。
既存社員の場合は、その業界に関する知識や経験を持っており、社内の人間関係も構築できていることから、ITリテラシーやDXに必要なスキル、知識を身に付けることで、DX人材として活躍できる可能性が高いのです。

既存社員からDX人材を育成するには

今、在籍している社員のなかから、DX人材を育てていくにはどうすればよいのでしょうか。
ここからは、DX人材育成の手順をご紹介していきます。
前提として、経営層がDX化の必要性をしっかりと理解し、全社で育成を進めていくことが必要になります。その上で、ご紹介する手順を参考に、DX化の第一歩である人材育成を進めていきましょう。

企業のDX化の目的・ゴールを明確にする

一言でDX化といっても、その企業にとって、目的やゴールはそれぞれです。自社にとって、何が不足していて、DX化をすることで何を達成したいのかを、経営層が明確に示すことが大切です。DX化して何をしたいのかが明確になっていないまま、プロジェクトが始まってしまうケースも多く、そのような場合は失敗に終わってしまうことがありますので、最初の段階でしっかりと決めておくようにします。

DXを推進していく社員を選定する

DX化を推進していくリーダーにあたる人材を選定します。DXに対応する人材として、7つの職種があることを解説しました。それぞれの職種に適した素質のある社員をDX促進のリーダー候補として選ぶことが重要です。
DXに必要なスキルは、次のようなソフトスキルとハードスキルがあります。
ソフトスキル:ビジネスに関する知識や経験
 ・その業界に関する知識や経験値
 ・コミュニケーション能力
 ・問題解決力
 ・新しいことへのチャレンジ精神

・ハードスキル:デジタルに関する知見
 ・ITリテラシー、ITに関する基礎知識

・AIやIoTなどの先端技術やITトレンドに関する知識や興味
 ・データ分析力、データサイエンスに関する知識
 ・UI/UX志向、ユーザー目線で考える意識

これらのスキルのうち、既存社員のなかでソフトスキルを既に持っている人材は、案外いるものです。これらのスキルは、DX化を意識せずとも、既存業務のなかで必要になる場面が多いためです。どちらかといえば、ハードスキルが足りていないケースの方が多いので、まずソフトスキルの面で適材がいないか、探してみましょう。
ハードスキルは研修などで身に付けることが可能です。現在スキルがなくても、先端技術やDXに関する興味がある人であれば、研修などで学ぶことで、DX人材として活躍できる可能性が高いでしょう。

DX推進部隊を作る

DX化に成功している企業の多くが、DXを専門的に進める部署を立ち上げています。
DXは新しいことへのチャレンジとなり、乗り越えなければいけない壁にぶち当たることもあります。別の事業部に所属しながら、DX担当を兼任しているケースもありますが、片手間ではなかなか進みません。本当にDX化を促進していきたいなら、DX専門の部署やチームを立ち上げることをおすすめします。

社員全員に対してDX基礎教育を行う

DXは組織全体を変革していくことなので、DX担当部門だけで行うものではありません。推進リーダーの存在は必要ですが、DX促進の一環としてプロジェクトを立ち上げたら、組織を横断して様々な部署に協力してもらわなければならない場面が、必ず出てきます。そのため、一部の社員だけがDXについて理解している状態ではなく、全社員のITリテラシーやDXに関する知識レベルを底上げする必要があります。経営層が全ての社員に対してDXの重要性を説明し、理解してもらうことが重要です。社員のDXに関する理解度が高ければ高いほど、プロジェクトが推進しやすくなります。

DX研修や学習支援で最先端の知識・ノウハウを習得

DX推進リーダーに対して、研修や学習支援を通して、DXに関する知識を身に付けてもらいます。
DXプロジェクトの進め方やマインドセット、データ活用の方法、IT・AIに関する知識などを、インプットするところから始めます。技術的な側面だけではなく、ビジネスサイドの
ノウハウを学ぶことも重要になってきます。
外部から講師を招いてDX研修を行う方法もありますし、eラーニングや、資格取得の
サポートを行って、自己学習を支援するなど、様々な選択肢があります。

学んだことを継続的に実践できる環境作り

研修やeラーニングで社員が習得した知識を、実践で生かせる場を作るようにしましょう。
例えば、既存業務の効率化など、小さなプロジェクトから任せてみるのもよいでしょう。チャレンジしてみた結果、失敗したり、あまりうまく行かなかったりしたとしても、また次のチャンスが与えられるような企業風土作りも大切です。
失敗から学んで次に生かせることもたくさんありますので、長い目で見ていくことが大切です。

企業のDX人材育成についてのまとめ

DX人材育成の重要性と、育成方法について解説しました。
日本企業がDX化を促進していくにあたって、人材育成は避けて通れない課題となっていることがお分かり頂けたと思います。
DX人材の育成を成功させるには、経営層が自社の課題に向き合い、重要な問題として、全社で取り組んでいくことが求められます。
育成には時間がかかりますので、いち早く具体的な対策に動き出すことで、企業の競争力を強化していきましょう。

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