【Python入門・応用】09.集合|重複した要素を削除できる「集合」の扱い方と特徴を学ぼう(初心者にもわかりやすく解説)

Python入門・応用09集合サムネイル
Python入門・応用講座

こんにちは。キノコードです。
この動画では、Pythonの集合について説明します。
説明する内容はこちらです。
はじめに、集合とは何かについて説明をします。
次に、集合の作り方、集合の扱い方を学びましょう。
また、集合に用意されているメソッドについても説明します。
集合の特徴を学習し、Pythonの知識を広げてみてください。

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それではレッスンスタートです。

この記事の執筆・監修

キノコード
キノコード

テクノロジーアンドデザインカンパニー合同会社のCEO。
日本最大級のプログラミング教育のYouTubeチャンネル「キノコード」や、プログラミング学習サービス「キノクエスト」を運営。
著書「あなたの仕事が一瞬で片付くPythonによる自動化仕事術」や、雑誌「日経ソフトウエア」や「シェルスクリプトマガジン」への寄稿など実績多数。

集合とは

集合とは、大きく言うと、ものの集まりのことです。ある条件を満たすもの全体の集まりのことです。
集合はリストやタプルなどと異なり、一つ一つの要素に順番はありません。
また、要素の重複に意味はなく、同じ要素が一つでも二つでも同じ集合になります。
Pythonでは、集合の中に同じ要素が複数個あると、一つ残してその他は削除されます。
そのため、重複した要素を削除したいときなどに集合を使用します。

集合の作り方

それでは、実際にPythonで集合を作成してみましょう。
集合は辞書と同じように要素を波括弧で囲みます。
ただし、辞書と異なり、keyとvalueの組み合わせはありません。
それでは、このような0,1,2,3をランダムに複数個並べたデータの集合を考えてみましょう。

s = {0, 2, 1, 1, 2, 3, 1}

print(s)

波括弧の中に要素をカンマで区切って定義し、変数sに代入します。
print関数でsを表示してみましょう。
実行します。
集合が表示されました。
集合には要素の順番はないので、自動的に並び替えられます。
更に、要素の重複に意味はないので、重複した要素は一つだけ残り、その他は削除されます。

type関数でデータ型を確認してみましょう。

s = {0, 2, 1, 1, 2, 3, 1}

print(type(s))

実行します。
集合を意味する、setが表示されました。

また、異なるデータ型の要素を1つの集合として作成することもできます。

s = {123, 1.23, (1, 2, 3), 123, 1.23}

print(s)

このような、int型、float型、tuple型のデータを要素とした集合を作成してみましょう。
実行します。
集合が表示されました。
先ほどと同様に、重複した要素がなくなり、int型、float型、tuple型が含まれた集合となりました。

次に、tuple型の要素をlist型に変更して集合を作成してみましょう。

s = {123, 1.23, [1, 2, 3], 123, 1.23}

print(s)

実行します。
エラーが発生しました。
このように、集合を作成する場合、要素にリストや辞書のように更新ができるミュータブルなオブジェクトを含むことができません。

次に、set関数を使用して集合を作成してみましょう。
set関数の引数には、集合に変換したいオブジェクトを指定します。
リストを指定して、集合を作成してみましょう。

a = [0, 2, 1, 1, 2, 3, 1]
s = set(a)

print(s)

まず、リストのデータを変数aに代入します。
そして、set関数の引数にaを指定し、変数sに代入します。
print関数でsを表示してみましょう。
実行します。
リストから集合を作成できました。
波括弧で作成した集合と同様に、重複した要素がなくなり、自動的に並び替えられていることがわかります。

空集合の作り方

次に、要素を持たない空集合の作り方を説明します。
空集合はset関数を使用して作成します。
要素を持たない波括弧で定義すると、辞書とみなされてしまいます。
確認してみましょう。

s1 = set()
s2 = {}

print(type(s1))
print(type(s2))

引数無しのset関数を変数s1に代入し、要素を持たない波括弧を変数s2に代入します。
type関数でそれぞれのデータ型を確認してみます。
実行します。
s1のデータ型は集合を表すsetであり、s2のデータ型は辞書を表すdictであることがわかります。

要素を追加する方法

次に、集合に要素を追加する方法を説明します。

s = {0, 1, 2}
s.add(3)

print(s)

addメソッドを使用すると、集合に要素を追加できます。
引数に追加したい要素を指定します。
実行します。
集合に3を追加できました。

要素を削除する方法

続いて、集合から要素を削除する方法を説明します。

s = {0, 1, 2}
s.remove(1)

print(s)

removeメソッドを使用すると、集合から要素を削除できます。
引数に削除したい要素を指定します。
実行します。
集合から1を削除できました。

また、clearメソッドを使用すると、集合から全ての要素を削除できます。

s = {0, 1, 2}
s.clear()

print(s)

実行します。
集合から全ての要素を削除できました。

要素の変更ができない集合の作り方

今まで説明した、波括弧やset関数を使用した集合は、要素の追加や削除ができました。
frozenset関数を使用すると、要素の追加や削除ができない集合を作成できます。
集合の作成方法はset関数と同じです。

a = [0, 2, 1, 1, 2, 3, 1]
s = frozenset(a)

print(s)

まず、リストのデータを変数aに代入します。
そして、frozenset関数の引数にaを指定し、変数sに代入します。
print関数でsを表示してみましょう。
実行します。
frozensetと書かれた集合を作成できました。

この集合にaddメソッドを使用して、要素を追加してみましょう。

a = [0, 2, 1, 1, 2, 3, 1]
s = frozenset(a)
s.add(4)

print(s)

実行します。
エラーが発生しました。

次はclearメソッドを使用して、要素を削除してみましょう。

a = [0, 2, 1, 1, 2, 3, 1]
s = frozenset(a)
s.clear()

print(s)

実行します。
再びエラーが発生しました。
このように、frozenset関数で作成した集合は、要素の追加や削除ができません。

和集合

次に、和集合の作り方を説明します。
和集合とは、全ての集合のうち、少なくともどれか1つに含まれる要素の集合のことです。
|(バーティカルライン)やunionメソッドを使用すると、和集合を作成できます。

s1 = {0, 1, 2}
s2 = {1, 2, 3}

s3 = s1 | s2
print(s3)

s4 = s1.union(s2)
print(s4)

このような2つの集合s1,s2の和集合を作成してみましょう。
|(バーティカルライン)を使用する場合は、2つの集合の間に|(バーティカルライン)を記述します。
unionメソッドを使用する場合は、片方の集合のunionメソッドを記述し、引数にもう一方の集合を指定します。
実行します。
和集合を作成できました。
どちらも同じ結果になっていることが確認できます。

集合の演算

次に、集合の演算について説明します。
集合の演算には、和集合、積集合、差集合、対象差集合があります。
2つの集合で考えてみましょう。
和集合は、2つの集合の少なくともどちらか1つに含まれる要素の集合です。
積集合は、2つの集合のどちらにも含まれる要素の集合です。
差集合は、集合Aに含まれ、集合Bには含まれない要素の集合です。
対象差集合は、2つの集合のどちらかにだけ含まれる要素の集合です。
順番に見ていきましょう。

積集合

次に、積集合の作り方を説明します。
積集合とは、全て集合に含まれる要素の集合のことです。
&(アンパサンド)やintersectionメソッドを使用すると、積集合を作成できます。

s1 = {0, 1, 2}
s2 = {1, 2, 3}
s3 = {2, 3, 4}

s4 = s1 & s2 & s3
print(s4)

s5 = s1.intersection(s2, s3)
print(s5)

今度は、このような3つの集合s1,s2,s3の積集合を作成してみましょう。
&(アンパサンド)を使用する場合は、それぞれの集合の間に&(アンパサンド)を記述します。
intersectionメソッドを使用する場合は、1つの集合のintersectionメソッドを記述し、引数に残りの集合を指定します。
実行します。
積集合を作成できました。
どちらも同じ結果になっていることが確認できます。

差集合

次に、差集合の作り方を説明します。
差集合とは、集合Aには含まれるが、集合Bには含まれない要素の集合のことです。
-(マイナス)やdifferenceメソッドを使用すると、差集合を作成できます。

s1 = {0, 1, 2}
s2 = {1, 2, 3}

s3 = s1 - s2
print(s3)

s4 = s1.difference(s2)
print(s4)

このような2つの集合s1,s2の差集合を作成してみましょう。
-(マイナス)を使用する場合は、2つの集合の間に-(マイナス)を記述します。
この時、含まれる集合を最初に記述し、含まれない集合を後に記述します。
differenceメソッドを使用する場合は、含まれる集合のdifferenceメソッドを記述し、引数に含まれない集合を指定します。
実行します。
差集合を作成できました。
どちらも同じ結果になっていることが確認できます。

対称差集合

次に、対称差集合の作り方を説明します。
集合が2つの場合について説明します。
対称差集合とは、2つの集合のうち、どちらか一方にだけ含まれる要素の集合のことです。
ハット(^)やsymmetric_differenceメソッドを使用すると、対称差集合を作成できます。

s1 = {0, 1, 2}
s2 = {1, 2, 3}

s3 = s1 ^ s2
print(s3)

s4 = s1.symmetric_difference(s2)
print(s4)

このような2つの集合s1,s2の対称差集合を作成してみましょう。
ハット(^)を使用する場合は、2つの集合の間にハット(^)を記述します。
symmetric_differenceメソッドを使用する場合は、片方の集合のsymmetric_differenceメソッドを記述し、引数にもう一方の集合を指定します。
実行します。
対称差集合を作成できました。
どちらも同じ結果になっていることが確認できます。

集合の関係

次は、集合の関係について説明します。
集合Aが集合Bに含まれている時、集合Aは集合Bの部分集合と言います。
<=(小なりイコール)やissubsetメソッドを使用すると、部分集合かどうかを判定できます。

s1 = {0, 1, 2}
s2 = {0, 1, 2, 3, 4}

print(s1 <= s2)
print(s1.issubset(s2))

このような2つの集合を使用し、s1がs2の部分集合かどうかを判定してみましょう。
<=(小なりイコール)を使用する場合は、s1、<=(小なりイコール)、s2、と記述します。
issubsetメソッドを使用する場合は、s1のissubsetメソッドを記述し、引数にs2を指定します。
実行します。
どちらもTrueが返ってきました。
従って、s1はs2の部分集合であることがわかります。

また、集合Aの要素と集合Bの要素が全て一致する時、集合Aと集合Bは等しいと言います。
==(イコール2つ)を使用すると、集合が等しいかどうかを判定できます。

s1 = {0, 1, 2}
s2 = {0, 1, 2, 3, 4}
s3 = {2, 1, 0}

print(s1 == s2)
print(s1 == s3)

このような集合を使用し、s1とs2が等しいかどうか、s1とs3が等しいかどうかを判定してみましょう。
実行します。
s1とs2は等しくないのでFalseが返ってきます。
s1とs3は等しいのでTrueが返ってきます。
なお、集合には要素の順番はないため、要素の順序は判定に影響しません。

また、集合Aが集合Bの部分集合で,かつ、集合Bと等しくない時、集合Aは集合Bの真部分集合と言います。
<(小なり)を使用すると、真部分集合かどうかを判定できます。

s1 = {0, 1, 2}
s2 = {0, 1, 2, 3, 4}
s3 = {2, 1, 0}

print(s1 < s2)
print(s1 < s3)

このような集合を使用し、s1がs2の真部分集合かどうか、s1がs3の真部分集合かどうかを判定してみましょう。
実行します。
TrueとFalseが返ってきました。
s1はs2の部分集合であり、かつ、s2と等しくないため、s1はs2の真部分集合になります。
s1はs3の部分集合ですが、s3と等しいため、真部分集合ではありません。

更に、集合Aの要素と集合Bの要素が一つも一致しない場合、集合Aと集合Bは互いに素と言います。
isdisjointメソッドを使用すると、互いに素かどうかを判定できます。

s1 = {0, 1, 2}
s2 = {3, 4, 5}
s3 = {2, 3, 4}

print(s1.isdisjoint(s2))
print(s1.isdisjoint(s3))

このような集合を使用し、s1とs2が互いに素かどうか、s1とs3が互いに素かどうかを判定してみましょう。
s1のisdisjointメソッドを記述し、引数に相手方の集合を指定します。
実行します。
s1とs2は要素が全て異なり、互いに素であるためTrueが返ってきます。
s1とs3は一部要素が一致し、互いに素ではないためFalseが返ってきます。

要素の存在確認

集合でもリストと同じように演算子inを使用して、ある要素が集合に含まれているかどうかを確認できます。
inの左側に要素を、右側に集合を記述します。

s = {1, 2, 3, 4, 5}

print(1 in s)
print(0 in s)

このような集合を使用し、要素が集合に含まれているかどうか確認してみましょう。
実行します。
1は集合に含まれているのでTrueが返ってきます。
0は集合に含まれていないのでFalseが返ってきます。

要素の取得

集合には要素の順番がないため、インデックスを使用した要素の取り出しはできません。
集合の要素を取り出すにはfor文を使用します。
ただし、取り出す順序は要素の並び順とは限らないので注意しましょう。
それでは、for文で集合の要素を1つずつ取り出して表示してみましょう。

s = {4, 3, 2, 1}
for i in s:
    print(i)

forの後にカウンタ変数、続けてin、そして集合、最後にコロンを記述します。
インデントを下げてprint関数で要素を表示します。
実行します。
集合の要素を1つずつ取り出して表示できました。

その他の方法として、集合をリストに変換する方法があります。
リストに変換後は、for文やインデックスを使用して要素を取り出せます。
list関数を使用すると、集合をリストに変換できます。
それでは、集合をリストに変換し、インデックスを使用して指定した要素を取り出してみましょう。

s = {1, 2, 3, 4}
l = list(s)

print(l[0])

list関数の引数に集合を指定し、変数lに代入します。
lの0番目の要素を表示してみます。
実行します。
集合をリストに変換することでインデックスが使用可能になり、指定した要素を取り出すことができました。

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