キノコードで紹介してきた環境構築を1本にまとめました。 環境構築がうまくいかなかった時の代替え案についても説明をしています。
こんにちは。キノコードです。
この動画では、macにおけるPythonの環境構築についてご説明します。
環境構築とは、プログラムを書いたり、実行できたりする環境を自分のコンピュータに整えることをいいます。
この環境構築でプログラミングを挫折してしまう方もいらっしゃいます。
そこで、この動画では、はじめから丁寧に解説していきたいと思います。
紹介する環境構築の方法は3つです。
1つめは、あなたのパソコンのOSに直接Pythonなどをインストールをして環境構築する方法です。
これがスタンダードな方法です。この動画ではDockerを使わない環境構築と呼びます。
このDockerを使わない環境構築のポイントは、あなたのOSにインストールするという点です。
ちなみに、あなたのパソコンに環境構築することを、ローカル環境構築といいます。
ローカルとは、あなたの手元にあるパソコンのことです。ローカルの対義語は、リモートです。つまり、あなたの手元ではなく、リモート接続先のクラウドやレンタルサーバーをイメージされるとよいでしょう。
2つめは、Dockerというツールを使って環境構築する方法です。
この方法もローカル環境構築です。
Dockerを使って環境構築する方法は、あなたのOSにDockerをインストールして、そのDokcerにPythonなどプログラミングに必要なものをインストールする方法です。
Dockerは誤解を恐れずにいうと、バーチャル上で使える、新しいパソコンを無料で手に入れられるツールです。
Dockerはバーチャルなものなので、環境構築が上手くいかなくなった時は捨ててやり直せばよいですし、必要なくなった時にいつでも捨てることができるというメリットがあります。
ただし、Dockerを使わない環境構築の方が手順が少なく、簡単です。
ですが、インストールがうまくいかなくてやり直す場合や、他のプログラミング言語の勉強のためなどでパソコンの設定を変えてしまっている場合などは、うまくいかない可能性もあります。
一方、Dockerを使った方法は、設定がやや難しいです。しかし、Dockerを使うと、バーチャル上で使える新しいパソコンに設定を進めていくことになるので、手順通りやればうまくいく可能性が高いです。また、うまくいかなかったときにやりなおすときも簡単です。
個人的なおすすめとしては。Dockerを使って環境構築する方法です。
それがうまくいかなかった場合に、Dockerを使わない環境構築を試されるとよいでしょう。
3つめに紹介するのはGoogleColaboratoryです。
「環境構築が面倒だ!今すぐプログラミングをはじめてみたい!」という方におすすめしたい方法です。
GoogleColaboratory(グーグルコラボラトリー)は、厳密には環境構築ではありませんが、プログラミングを始める準備という意味では共通なのでこの動画で紹介します。
GoogleColaboratoryは、環境構築が不要で1分以内でPythonのプログラミングをすることができます。
また、無料のクラウドツールなのでお金がかかることがありません。
ちなみに、GoogleColaboratoryは、環境構築ではありませんし、クラウドなのでローカル環境ではありません。
したがって、Dockerを使わない環境構築やDockerを使った環境構築はローカルでプログラミングを実行します。GoogleColaboratoryはクラウド上でプログラミングを実行します。つまり、あなたのパソコンの性能は関係なく、GoogleColaboratoryの性能は通常のノートパソコンより高いです。
もう1点補足をすると、環境構築をしてプログラミングをできる環境のことを実行環境といいます。
つまり、プログラミングができる準備のことを環境構築。プログラミングを実行できる環境のことを実行環境といいます。
こちらの単語も覚えておきましょう。
さて、今まで紹介をした、GoogleColaboratory、Dockerを使わない方法、Dockerを使う方法の3つのプログラミングをする環境ですが、おすすめはどれでしょうか?
プログラミングの目的別に解説してみたいと思います。
まず、難易度についてです。
プログラミングを始めるという意味では、簡単な順番は、GoogleColaboratory、Dockerを使わない方法、Dockerを使う方法です。
GoogleColaboratoryは、URLにアクセスするだけでプログラミングを始められるからです。また、Dockerを使う方法が難しいのは、Dockerの知識が必要になってくるからです。
とはいえ、おすすめの方法という意味では、使用用途にあわせて変わってきます。
プログラミング学習をする、データ分析をする、Googleドライブにアップしたファイルを使ってExcelやGoogleスプレッドシートのデータの集計の半自動化するというのであれば、GoogleColaboratoryでよいです。
ただし、GoogleColaboratoryはローカルのファイルを読み込むことができません。したがって、ローカルにファイルがある場合は、Googleドライブにファイルを手動でアップロードしなければなりません。したがって、仕事などの完全自動化は難しいです。
また、JupyterLabは、Webアプリケーション開発にも向いていません。つまり、JupyterLabしか使えないGoogleColaboratorは、Webアプリケーション開発に向いていません。
したがって、仕事の半自動化ではなく完全自動化をしたい場合、Webアプリケーション開発をしたい場合は、Dockerを使う環境構築か、Dockerを使わない環境構築がよいです。
さらには、他の言語も勉強したいので設定まわりは変にいじりたくない、環境を簡単に会社でも使いたい、エンジニアを目指したいという場合は、Dockerを使う環境構築をおすすめします。これを機会にDockerを使えるようになってもよいでしょう。
また、GoogleColaboratory以外の、Dockerを使わない方法、Dockerを使う方法では、VisualStudioCodeとJupyterLabの2つの実行環境を紹介します。
VisualStudioCodeはプログラムを書くためのエディタです。完全自動化やWebアプリ開発など、pyファイルを使用する場合はこちらがおすすめです。
一方、JupyterLabは対話型と呼ばれる実行環境です。書いたコードを対話をするように細かく実行確認をしながら進めることができます。
なので、Pythonの学習やデータ分析にはJupyterLabが向いていると言えます。
自動化のプログラムを組みたい場合は、JupyterLabで実行結果を確認しつつ、プログラムが完成したらVisualStudioCodeでpythonファイルにするという方法があります。
初心者の方へのおすすめとしては、まずはJupyterLabでプログラミングを覚えて、慣れてきたらVSCodeでやられるとよいでしょう。
さて、前置きが長くなりましたが、早速、本編にいってみましょう。
- Dockerを使わない環境構築「環境構築に必要なもの」
- Dockerを使わない環境構築「Visual Studio Codeの設定方法」
- Dockerを使わない環境構築「Pythonの拡張機能のインストール」
- Dockerを使わない環境構築「anacondaのインストール方法」
- Dockerを使わない環境構築「VSCodeでプログラムの実行」
- Dockerを使わない環境構築「JupyterLabでプログラムの実行」
- Dockerを使った環境構築「Dockerのインストール方法」
- Dockerを使った環境構築「Gitのインストール方法」
- Dockerを使った環境構築「コンテナ作成」
- Dockerを使った環境構築「JupyterLabでプログラムの実行」
- Dockerを使った環境構築「Dockerをスタート方法と終了方法」
- レッスンで使ったファイル
Dockerを使わない環境構築「環境構築に必要なもの」
では、あなたのパソコンのOSに直接Pythonなどをインストールをして環境構築する方法、つまり、Dockerを使わない方法について説明します。
インストールするものは3つです。VisualStudioCode本体、VisualStudioCodeのPython拡張機能、anacondaの3つです。
インストールするものを1つずつ簡単に説明します。
まず、Visual Studio Codeについてです。
Visual Studio Codeとは、マイクロソフトが開発したプログラムを書くためのエディタです。
VScodeとも呼ばれています。
VScodeは、Windows、macOS、Linux、色々なOSで使うことができます。
また、Java、C言語、pythonなど有名どころプログラミング言語を書くことができます。
VScodeは、好きな開発環境の1位に選ばれている人気の開発環境です。
次に、anacondaです。
anacondaは、Pythonのディストリビューションです。
anacondaには、Pythonで使われるさまざまなライブラリが入っている便利なものです。
Anacondaには、Pythonのプログラミング学習やデータ分析にぴったりのJupyterLabというツールも含まれています。
Dockerを使わない環境構築「Visual Studio Codeの設定方法」
それでは、VSCodeのインストールと設定を進めていきましょう
公式サイトからVScodeをダウンロードします。
Googleで「visual studio code」と検索すれば出てきます。
こちらが公式サイトです。
ここに「Download for Mac」がありますのでクリックしてダウンロードしましょう。
(ダウンロードには数分かかります)
ダウンロードが完了したら、zipファイルを解凍。
解凍すると「Visual Studio Code」というファイルができます。それではVSCodeを開きます。
このような表示がでるので、「開く」をクリック。
そうすると、VScodeが立ち上がります。
VSCodeを開きやすいように、アプリケーションフォルダに追加、あわせてDockeにも追加しておきましょう。
ブラウザが起動して、公式ドキュメントが開かれます。こちらは閉じておきます。
左のバーをアクティビティバーといいます。
これはExtensionsといいます。ここで、拡張機能をインストールできます。
表示が英語になっているので、日本語に変えてみましょう。
「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」をインストールしましょう。「Japanese」と入力すると、候補が出てくると思います
クリックをして、インストールをクリック。
インストールが終わったらvscodeを再起動してみましょう。
表示が日本語になっています。
これでVisual Studio Codeの設定が完了です。
Dockerを使わない環境構築「Pythonの拡張機能のインストール」
次に、マイクロソフトが提供しているPythonのVSCode拡張機能をインストールしておきましょう。
これがあると、補完機能やデバック機能があり便利です。
拡張機能でPythonと検索しましょう。
インストールをクリック。
インストールが終わったら設定は完了です。
Dockerを使わない環境構築「anacondaのインストール方法」
次に、anacondaのインストールを進めていきましょう。
Googleで「anaconda download」と検索すれば出てきます。
これが公式サイトです。URLは概要欄に記載しています。
anacondaのサイトには、anacondaをインストールするファイルが2つ表示されます。
どちらをダウンロードしてもanacondaをインストールすることができます。
2つの違いは、インストールするときの画面です。
「64-Bit Graphical Installer」は、マウスで操作できる画面でインストールすることができます。
一方、「64-Bit Command Line Installer」は、ターミナルのような画面でキーボードの操作だけでインストールすることができます。
「Python3系」のanacondaがありますのでダウンロードしましょう。
(ダウンロードには数分かかります)
ダウンロードが完了したら、クリックをしてインストールしましょう。
次々、進んでいきましょう。
インストールが完了しました。
Dockerを使わない環境構築「VSCodeでプログラムの実行」
それではVSCodeを開いてプログラムを実行できるか試してみましょう。
まずは、ファイルを保存するフォルダを作ります。
デスクトップにMyPythonというフォルダを作りましょう。
フォルダを開くをクリックします。
ファイルのマークをクリック。
ファイル名はtest.pyとしましょう。
print("Hello,Python!!")
文字や数字を表示することができるprintという関数を使って、"Hello,Python!!"を表示させてみましょう。
使い方は、printと書いて丸括弧。丸括弧の中に、表示させたい文字やデータを書きます。表示させたいものが文字の場合はダブルクオテーションで括ります。
エディタにprint("Hello,Python!!")と記述します。
そして、右クリックです。
「ターミナルでPythonファイルを実行l」とでるのでクリックをします。
実行をすると、ターミナルでHello,Pythonが表示されました。
これだけだとわかりにくいという方がいらっしゃいましたら、VSCodeを使ったプログラムの実行の動画がありますので、そちらをご覧ください。
Dockerを使わない環境構築「JupyterLabでプログラムの実行」
続いて、もう1つの実行環境のJupyterLabです。
JupyterLabは、Anacondaの中に入っています。そのため、anacondaをインストールすると、自動でJuputerLabもインストールされます。
起動をしてみましょう。ターミナルをを開いて、「jupyter lab」(ジュピター スペース ラボ)と入力してEnterです。
すると、ブラウザが起動してJupterLabが開きます。問題なく開くことができればJupyterLabの設定は完了です。
print("Hello,Python!!")
print関数を使って、"Hello,Python!!"を表示させてみましょう。
JupyterLabの実行方法は、シフトを押しながらエンターを押します。
Hello,Python!!が表示されました。
JupyterLabの使い方については、別の動画で説明しています。詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。
ちなみに、JupyterLabの終了の仕方は、ターミナルでCtrl+Cです。実行します。
終了することができました。
Dockerを使った環境構築「Dockerのインストール方法」
次にMacでのDockerを使った環境構築をします。
Dockerを使った環境構築には、Dockerのインストールが必要です。Dockerのインストールを進めましょう。
このURLにアクセスし、「Docker for Mac」をダウンロードします。URLは概要欄に貼っておきます。
まずはこのURLにアクセスし、Get Startedをクリックしましょう。
Docker Desktopをダウンロードしましょう。
またDockerアカウント作成することでDocker Hubを使用することができるので、余力があれば登録してもいいでしょう。
ダウンロードしたインストーラーに従い、インストールを進めていきます。
インストールが完了したら、ターミナルを開き、「docker run hello-world」というコマンドを実行します。
「Hello from Docker!」と表示されたら成功です。
これでDockerのインストールが完了しました。
Dockerを使った環境構築「Gitのインストール方法」
次に、gitを使ってDockerfileなどの設定に必要なファイルをあなたのパソコンにダウンロードしましょう。gitを使うには、こちらもインストールが必要です。gitは、こちらのURLからダウンロードできます。ダウンロードをクリック。ダウンロードが始まります。gitのインストールについてはこちらのURLからインストーラーをダウンロードしてください。インストーラーにしたがって進めていけば完了します。さて、準備が整いました。Dockerを使った環境構築を進めて行きましょう。
Dockerを使った環境構築「コンテナ作成」
git clone https://github.com/kino-code/docker-python.git /Users/kinocode/Documents/docker-python
さて、Dockerを使った環境構築ですが、理屈は一旦置いておきましょう。JupyterLabの起動まで一気にやっていきます。
まず、コンテナというものを作成します。
そもそもDockerは、コンテナという箱のようなものに、OSやソフトウェアがインストールされた環境を閉じ込めておくことができるソフトウェアです。
コンテナといえば、船やトラックで物を輸送するの大きな入れ物を思い浮かべる方がいるかもしれません。
それと同じです。
Dockerでは、コンテナにOSやソフトウェアをいれて、違うパソコンに持ち運び移動させたり、いつでもコンテナを立ちあげることができます。
ちなみに、Dockerは、難しい言葉でいうと、コンテナ仮想化の技術を使ったソフトウェアです。アメリカのDocker社が提供しています。
そのコンテナを作成します。
まず、gitを使ってDockerfileなどの設定に必要なファイルをあなたのパソコンにダウンロードしましょう。
gitのcloneコマンドを使うとキノコードのGitHubにあるリポジトリを、あなたのパソコンにコピーすることができます。
「https://github.com/kino-code/docker-python.git 」がコピー元、「/Users/kinocode/Documents/docker-python」がコピー先です。
ここでは、macのdocumentにdocker-pythonというフォルダを作って、そこに必要なファイルをダウンロードしてきています。
場所やフォルダ名はなんでもよいです。
コピー先を変更したい場合は、後ろの部分の記述を変えてください。
実行します。
ファイルなどがダウンロードできています。
cd /Users/kinocode/Documents/docker-python
cdでコピー先のディレクトリに移動をします。
docker-compose up -d
続いて、docker-compose upでデタッチド・モードで、Pythonファイルを実行するコンテナの作成と起動をします。
Dockerの詳しい解説についてはDocker入門コースを作成する予定なので、もう少々お待ちください。
実行します。
Successfullyとでればコンテナの作成と起動が完了です。
Dockerを使った環境構築「JupyterLabでプログラムの実行」
それでは、まず、JupyterLabを立ち上げてみます。このURLにアクセスしてください。JupyterLabが立ち上がったら設定が完了しています。おめでとうございます。一番下に、workspaceというフォルダがあります。これがあなたのパソコンと、バーチャル上にあるパソコンがつながっているフォルダです。別の言い方をすれば、あなたのパソコンと、バーチャル上にあるパソコンが同期されているフォルダです。専門的なことをいうと、Dockerがあなたのパソコンのフォルダにマウントしているということです。ここでは、documentにdocker-pythonというフォルダにマウントをしています。したがって、あなたのパソコンのdocker-pythonと、このコンテナのworkspaceが同期されています。ここをクリックしてみましょう。確かに、docker-pythonというフォルダと、JupyterLabで表示されている内容は同じです。JupyterLabのファイルを作ってみましょう。
print("Hello,Python!!")
文字や数字を表示することができるprintという関数を使って、"Hello,Python!!"を表示させてみましょう。使い方は、printと書いて丸括弧。丸括弧の中に、表示させたい文字やデータを書きます。表示させたいものが文字の場合はダブルクオテーションで括ります。JupyterLabのセルにprint("Hello,Python!!")と記述します。シフトを押しながらエンターを押します。Hello,Python!!が表示されました。JupyterLabの使い方については、別の動画で説明しています。詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。JupyterLab_testというファイル名で保存をしましょう。あなたのパソコンのフォルダ、docker-pythonでも保存されていることが確認できました。
Dockerを使った環境構築「Dockerをスタート方法と終了方法」
Docker stop docker-python
コンテナを起動する方法をみていきましょう。コンテナを停止するには「Docker stop docker-python」とターミナルで実行します。
print("Hello,Python!!")
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