エンジニアが年収を上げるにはどうすればいい?【エンジニアの年収事情を詳しく解説】

現在のエンジニアとしての年収に満足していますか?
実際には年収に不満を感じているエンジニアは少なくありません。

株式会社SHIFTがIT業界で働く開発プロジェクト経験者に行った調査では、6割が給与の低さなどを主な理由として転職を希望していると回答しています。
こうした待遇への不満や転職の意向は他業種の2倍にも及ぶとのことです。

そこで今回は多くのエンジニアが気になるであろう年収事情について取り上げ、どのように年収を上げていけばよいか考えていきたいと思います。

エンジニアの経験別の平均年収

まず自分の現在の年収が、エンジニアの年収相場に見合っているか把握しましょう。
年収相場を大きく下回る場合、年収交渉や転職によって年収を改善できる可能性が高いと言えます。

以下は「doda」に会員登録を行った20代~50代のITエンジニアを対象とした調査結果で、言語別/年代別の平均年収の違いを知ることができます。

▼言語別/年代別の平均年収

言語別の平均年収

出典:TECH Street(パーソルキャリア株式会社)「2020年プログラミング言語別/年代別の平均年収ランキング調査」

また異業種からIT業界に転入しエンジニアとして働いている人は、以下の経験年数別のSEの平均年収も参考にしてみましょう。
経験年数が5年増えるごとに、平均年収も50万~80万程上がっていくことが分かります。

▼経験年数別のSEの平均年収

経験年数 男性 女性
0年~1年 328万円 301万円
1年~4年 410万円 391万円
5年~9年 492万円 465万円
10年~14年 545万円 502万円
15年以上 643万円 560万円

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査 職種第3表DB
※平均年収=きまって支給する現金給与額(月収)× 12 + 年間賞与 

上記の言語別/年代別や経験年数別の平均年収を目安に、自分のスキルレベルやこれまでの経験も考慮に入れ、現在の年収が適正範囲内かまず考えてみましょう。
現在の年収が相場よりかなり低いのであれば、年収交渉や転職により年収アップが見込めます。

エンジニアが年収を上げる方法は?

では年収に不満を持つエンジニアはどのように現在の年収を上げていけばよいでしょうか。
年収を上げるための方法として、大きく以下の4つが挙げられます。

  • 企業内で高い評価を得てキャリアアップする
  • 年収の高い企業に転職する
  • フリーランスになる
  • 年収アップに強い資格を取得する

企業内で高い評価を得てキャリアアップする

企業が求めるスキルを向上させる

まず企業が社員の給与水準を決めるうえで、どのような項目をどの程度重視しているか把握しましょう。
社員はこの評価項目をアピールすることで、年収アップを狙いやすくなります。
厚生労働省による企業への調査では、多くの企業が以下の3つの項目を重視していると回答しています。

  • ITスキルレベル(設計力、開発力、スピードなど)
  • コミュニケーション(含むマネジメント)能力
  • 成果

▼給与水準に影響を与える項目と影響度
エンジニアの給与水準を決める項目

出典:経済産業省 IT関連産業の給与等に関する実態調査結果

調査から分かるように企業はエンジニアとしての総合力を給与水準を決めるうえで重視しています。
企業内で評価を高め年収を上げていくために、ハードスキル+ソフトスキルを偏りなく総合的に伸ばしていくよう心がけましょう。

管理系職種にキャリアアップする

エンジニアのキャリア戦略を説明した以下の記事でも紹介している通り、プロジェクトマネージャーなどの管理系職種は年収が高いです。
>>コロナ禍におけるエンジニア転職【市場動向やキャリア戦略を解説】

そのため年収を上げるために、エンジニアから管理系の上位職種にキャリアアップをすることを目指しましょう。

キャリアアップには上記の通りハードスキル、ソフトスキルともに向上させていくことが必要です。
組織構造上、上位職種へのキャリアアップが何年たっても見込めないようであれば、転職を検討することも必要になるでしょう。

年収アップを見込める企業に転職する 

能力・成果重視型の企業に転職する

若手で実力のある人は「年功型」ではなく、「能力・成果重視型」の企業に転職した方が年収を上げやすいです。

以下は企業の給与制度を「年功型」、「能力・成果重視型」、「中間型」に分類し、それぞれの企業群における年齢別の給与水準を比較したものになります。
これによると35歳までは「能力・成果重視型」の企業で給与水準が高い傾向です。
そのため20代~30代前半で「年功型」の企業に勤めており、実力に見合った年収をもらえていないと感じるのであれば、「能力・成果重視型」の企業に転職することで年収アップを狙えます。

▼年功の影響度×年齢別の年収水準の推移
エンジニアの給与と年功制の関係

出典:経済産業省 IT関連産業の給与等に関する実態調査結果

大手企業に転職する

企業規模でも年収に差があり、社員1,000人以上の大手企業のエンジニアは年収が高い傾向です。
特にミドル以降の年齢になると企業規模別での年収の差が大きくなってきます。
そのため経験豊富なミドル以降の年齢のエンジニアは、大手企業に転職することができれば年収アップを期待できます。

▼企業規模別のSEの平均年収

企業規模 男性 女性
10~99人 526万円 452万円
100~999人 497万円 442万円
1,000人以上 594万円 495万円

出典:厚生労働省 賃金構造基本統計調査 職種第1表DB
※平均年収=きまって支給する現金給与額(月収)× 12 + 年間賞与 

JCSSAが会員のIT企業を対象に実施した調査によると、およそ8割の企業で人材不足に悩まされ、特に不足しているのは「プロジェクトマネジャー系」となっています。
認知度の高い大手企業は応募者も多く内定を獲得するのは簡単ではありませんが、プロジェクトマネージャーなど管理系職種の経験を持ってるミドルは転職を有利に進められるでしょう。

外資系企業に転職する

エンジニアの年収は日本よりもアメリカなど海外の方が高い傾向にあり、外資系企業に転職することで年収を大幅に上げられる可能性があります。
参考までに以下は日米のIT人材の年代別の年収分布になりますが、すべての年代でアメリカの年収の方が圧倒的に高いです。
アメリカにおける20代の年収の平均値は1,023万で、実力があれば数千万の年収にもなるとのことです。

▼日米のIT人材の年代別の年収分布
日米のエンジニアの給与比較

出典:経済産業省 IT関連産業の給与等に関する実態調査結果

もちろん高い年収を得るにふさわしい能力が必要になるのは言うまでもありません。
エンジニアとしての実力と一定の英語力を持っているのであれば、外資系企業に挑戦するのも考えてみるとよいでしょう。

フリーランスになる

フリーランスは実力次第で会社員と比べて年収が青天井になります。
特に現在の会社が「年功型」で実力に見合った年収をもらえていない若手は、フリーランスに移行することで大幅に年収を上げられる可能性があります。

フリーランス人口は年々増改傾向で、会社員からフリーランスになることは今や特別なことではありません。
また政府が多様な働き方を推進しており、フリーランスとして働きやすい環境も整ってきています。
特にエンジニアはあらゆる職種の中でもフリーランスになりやすく、数年の実務経験さえあれば応募できる案件が豊富にあります。
年収を上げたい人、現在の働き方に不満を持つ人は、転職だけでなくフリーランスになることを選択肢の一つとして考えてみるのもよいでしょう。

フリーランスの案件を探すなら、業界最大級の案件を保有し、業界トップクラスの高単価報酬・低マージンのレバテックフリーランスがおすすめです。

また会社員として働きながら空き時間に副業を行い、本業以外の収入源を増やしていくことも年収アップの一つの方法です。
案件の種類や単価の幅は非常に広いため、一度クラウドテックなどで案件を見てみてはいかがでしょうか。

年収アップに強い資格を取得する

エンジニアとして働くうえで資格の取得は必須というわけではありません。
しかし資格を取得することで自分の能力を客観的に示すことができるようになります。
ポテンシャルを見られる20代は学習意欲を、マネジメントの役割も求められるようになる30代は体系的なスキルを持っていることを企業にアピールでき、転職時に役立ちます。

業種によるばらつきはありますが、IT人材のスキルレベルを図る基準として、「保有資格」を「非常に重視している」「ある程度重視している」と答えた企業は7割超に及び、企業も資格の有無を見ていることが分かります。
エンジニアの給与に

出典:経済産業省 IT関連産業の給与等に関する実態調査結果

資格は大きく分けて以下の3つに分類でき、現在のエンジニアとしての経験や今後のキャリア戦略に応じて取得する資格を選ぶようにしてください。資格取得のための学習にはUdemyの資格対策講座がおすすめです。
Udemyは世界最大級のオンライン学習プラットフォームで、資格対策講座のほかにも、さまざまな講座を1,000円台から購入可能でエンジニアのスキルアップに役立てることができます。

資格分類 概要
国家資格 経済産業省が情報処理技術者としての知識や技能が一定水準以上であることを認定する国家資格。情報処理推進機構(IPA)が実施する「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」が代表的です。
ベンダー資格 ベンダーが自社製品についての知識やスキルを持っていることを認定する民間資格。Oracle社の「ORACLE MASTER」やCisco Systems社の「CCNA」「CCNP」などが代表的です。
ベンダーニュートラル資格 特定のベンダーに関係しない、インターネット関連の知識やスキルを認定する資格。「Linux技術者認定試験」、「HTML5プロフェッショナル認定試験」などが挙げられます。

また以下はアメリカのGlobal Knowledge社が2020年に発表した稼げる資格のランキングになります。
クラウドやセキュリティに関連する資格が上位にランクインしていることがお分かりになるかと思います。
こうした需要の高い領域に関連した資格を取得することも、転職時の年収アップにつながります。

エンジニアの給与に
出典:Global Knowledge, 15 Top-Paying IT Certifications for 2020

エンジニアが年収を上げるには、ゴールから逆算した努力が重要

エンジニアの年収は言語、職種、働く企業などで大きく変わってきます。
そのため年収を着実に上げていくには、ゴールから逆算して正しい方向に努力を継続することが重要になります。

  • 企業内でどのようなエンジニアが評価されているか
  • 企業が外部からどのような人材を求めているか
  • どのような案件があるか

これらを把握するためにも、KinoCodeの無料のキャリア相談を利用してみませんか?