【プロンプトエンジニアリング超入門】06.生成AIへの指示は『明確さ』が命 | キャラクターや役割を設定、手順を指定、希望する長さを指定

プロンプトエンジニアリング

プロンプトエンジニアリング超入門の第6回目です。
前回の動画では「効果的なプロンプトを作る4つのポイント」について紹介しました。
この動画では、その中の「1つめ明確な指示をする」についてです。
この動画では、次のような疑問を解消します。

・明確な指示とはどういうこと?
・AIに適切な役割を与える方法は?
・期待通りの結果を得るにはどうすればいいの?

生成AIをより効果的に活用し、業務効率を上げたい方は必見です。

ITやDXについての学びを発信する「キノコード」です。
私は紀貫之の子孫で、文章ではなくコードを書いているので「キノコード」と名乗っています。
ぜひ、チャンネル登録をお願いします。

明確な指示をする

まず最初に、「明確な指示を書く」ということから解説を始めていきますね。
人も同じで、曖昧な仕事の依頼より、具体的な依頼をされた方が嬉しいですよね。
例えば、いつまでに、何を、どのぐらいの量で、と言った感じです。
明確な指示するためのポイントは6つあります。

  1. 具体的に指示をする
  2. キャラクターや役割を設定する
  3. 入力データを明確に示す
  4. 手順を指定する
  5. 具体的な例を挙げる
  6. 希望する長さを指定する

順に解説していきますね。

具体的に指示をする

1つめは、具体的に指示するということです。
例えば、桃太郎の文章を要約したいとします。
ざっくりと「要約してください」とだけ指示をしてみましょう。

# 指示
下記文章を要約してください。

# 入力データ
昔々、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川から大きな桃が流れてきました。おばあさんはその桃を家に持ち帰り、二人で切ってみると、中から元気な男の子が出てきました。 
二人はその男の子を「桃太郎」と名付け、愛情を込めて育てました。桃太郎は成長するにつれて、とても強く、賢い若者になりました。ある日、鬼が島に住む鬼たちが村を襲い、村人たちの財宝を奪いました。桃太郎は村を救うために鬼を退治する決意をします。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎にきびだんごを持たせ、旅の無事を祈って送り出しました。旅の途中で、犬、猿、キジに出会います。桃太郎はそれぞれにきびだんごをあげ、仲間に加えました。
ついに鬼が島に到着した桃太郎たちは、力を合わせて鬼たちと戦いました。犬が噛みつき、猿が引っかき、キジが空から攻撃し、桃太郎はその力をもって鬼のボスを打ち負かしました。鬼たちは降参し、奪った財宝をすべて返しました。
桃太郎は仲間たちと共に村に戻り、村人たちに財宝を返しました。村は再び平和になり、桃太郎は英雄として村人たちに称えられました。
めでたし、めでたし。

出力:
昔々、桃から生まれた男の子・桃太郎は、成長して強く賢くなりました。村を襲った鬼たちに財宝を奪われたため、桃太郎は鬼退治を決意し、旅に出ます。途中で犬、猿、キジを仲間にし、力を合わせて鬼の島で鬼たちを倒し、財宝を取り戻しました。桃太郎は村に戻り、財宝を返して村人たちに英雄として称えられました。

要約されました。
しかし、自分のイメージでは、箇条書きで要約して欲しかったとします。
その場合は、具体的に、箇条書きで要約してくださいと伝えましょう。
指示文として、桃太郎の話を、3つの箇条書きで要約してくださいと指示をしましょう。

# 指示
桃太郎の話を、3つの箇条書きで要約してください

# 入力データ
"""
昔々、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川から大きな桃が流れてきました。おばあさんはその桃を家に持ち帰り、二人で切ってみると、中から元気な男の子が出てきました。
二人はその男の子を「桃太郎」と名付け、愛情を込めて育てました。桃太郎は成長するにつれて、とても強く、賢い若者になりました。ある日、鬼が島に住む鬼たちが村を襲い、村人たちの財宝を奪いました。桃太郎は村を救うために鬼を退治する決意をします。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎にきびだんごを持たせ、旅の無事を祈って送り出しました。旅の途中で、犬、猿、キジに出会います。桃太郎はそれぞれにきびだんごをあげ、仲間に加えました。
ついに鬼が島に到着した桃太郎たちは、力を合わせて鬼たちと戦いました。犬が噛みつき、猿が引っかき、キジが空から攻撃し、桃太郎はその力をもって鬼のボスを打ち負かしました。鬼たちは降参し、奪った財宝をすべて返しました。
桃太郎は仲間たちと共に村に戻り、村人たちに財宝を返しました。村は再び平和になり、桃太郎は英雄として村人たちに称えられました。
めでたし、めでたし。
"""

出力形式:

1. おばあさんが川で見つけた大きな桃から、元気な男の子・桃太郎が出てきて、夫婦に育てられる。
2. 鬼が島の鬼たちが村を襲うと、桃太郎は鬼退治を決意し、旅の途中で犬、猿、キジと仲間になる。
3. 桃太郎たちは協力して鬼を倒し、奪われた財宝を取り戻し、村に平和をもたらす。

3つの箇条書きで要約くれましたね。
このように、具体的に指示をすることで、AIが迷わずにわかりやすい答えを返してくれるようになります。
あいまいな指示を避けて、できるだけ詳しく指示するようにしましょう。

キャラクターや役割を設定する

相手に役割や特定のキャラクターを設定すると、指示が具体的になり、期待する結果が得られやすくなります。
具体例をみてみましょう。

自社のカスタマーサポート宛に、ホームページから問い合わせがきたとします。
問い合わせの内容は、

ホームページをみました。
DX人材育成したいと思っています。
なぜなら、DXを推進する人材がいないからです。
サービスの資料をお送りいただけますでしょうか。

といった内容です。

生成AIに「返信してください」とだけ依頼をしてみましょう。

# 指示
このメールを返信してください。

# クライアントからのメール
"""
お世話になっております。○○商事の××です。

ホームページをみました。
DX人材育成したいと思っています。
なぜなら、DXを推進する人材がいないからです。
サービスの資料をお送りいただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。
"""

出力:
件名: Re: DX人材育成に関する資料のご送付

○○商事 ××様

お世話になっております。○○株式会社の△△です。

この度は弊社のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
DX人材育成にご興味をお持ちいただき、大変うれしく思います。

ご依頼いただきました資料を添付にてお送りいたしますので、ご確認いただけますと幸いです。 
もしご不明点や追加でご質問等がございましたら、どうぞお気軽にお知らせください。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

敬具
△△(氏名)
○○株式会社
電話番号: xxx-xxxx-xxxx
メール: xxx@xxx.com

生成内容をみてみましょう。
「ご依頼いただきました資料を添付にてお送りいたしますので、ご確認いただけますと幸いです。」と依頼に対して適切に対応をしています。
また、「もしご不明点や追加でご質問等がございましたら、どうぞお気軽にお知らせください。」と伝えて、フォローもしていますよね。

決して悪くはない文章です。
しかし、カスタマーサポートの仕事は資料を送るだけではないです。
カスタマーサポートの仕事は、お客様の課題を解決することです。
そこで、あなたの役割として
「あなたは社内で顧客満足度No.1のカスタマーサポート担当者です。
お客様の課題に共感してください。
オンラインMTGで直接お客様の課題を伺うと満足度が上がります。
資料をお送りした後で興味をお持ちの場合、オンラインMTGを提案してください。

という背景・役割を加えてみましょう。

# あなたの役割
あなたは社内で顧客満足度No.1のカスタマーサポート担当者です。
お客様の課題に共感してください。
オンラインMTGで直接お客様の課題を伺うと満足度が上がります。
資料をお送りした後で興味をお持ちの場合、オンラインMTGを提案してください。

# 指示
このメールを返信してください。

# クライアントからのメール
"""
お世話になっております。○○商事の××です。

ホームページをみました。
DX人材育成したいと思っています。
なぜなら、DXを推進する人材がいないからです。
サービスの資料をお送りいただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。
"""

出力:
件名: DX人材育成に関する資料のご案内

○○商事 ××様

お世話になっております。○○(貴社名)の△△(担当者名)です。

この度は、弊社のサービスにご関心をお寄せいただき、誠にありがとうございます。 
DX人材育成に関するお悩みをお聞きし、共感いたします。
実際に多くのお客様が、DXを推進する人材の確保・育成にお悩みになっていることが多いです。

ご依頼いただきました資料を添付にてお送りいたしますので、まずはご確認いただけますと幸いです。
また、資料をご覧いただいた後に、より具体的なご提案をさせていただければと思います。
オンラインMTGにて、お客様の現状や課題に合わせたご支援の方法を直接お伺いできれば、
さらに詳しい情報をお伝えできるかと思いますので、もしご興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

敬具
△△(担当者名)
株式会社○○(会社名)
電話番号: ×××-×××-××××
メールアドレス: xxxxx@xxxxx.com

生成されました。
「実際に多くのお客様が、DXを推進する人材の確保・育成にお悩みになっていることが多いです。」と共感をして、寄り添っています。
「ご依頼いただきました資料を添付にてお送りいたしますので、まずはご確認いただけますと幸いです。」とお伝えをして、お客様の依頼に応えています。
最後に、「オンラインMTGにて、お客様の現状や課題に合わせたご支援の方法を直接お伺いできれば、
さらに詳しい情報をお伝えできるかと思いますので、もしご興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。」とオンラインにて課題解決するお時間をいただくご提案をしています。
役割を与えると、いい回答を得られますね。

キャラクターや役割を設定することで、AIに具体的な指示を出すことができます。
これにより、期待通りの結果を得ることができます。

入力データを明確に示す

生成AIに指示をするときは、
区切り文字を使用して、入力データを明確に分けましょう。
これによって、生成AIがどの部分が指示で、どの部分が入力データなのかを正確に理解できます。

例えば、「適切な言葉に変換して。」という言葉を敬語にして欲しいとしましょう。
「敬語にしてください。適切な言葉に変換して。」と依頼をしてみましょう。

敬語にしてください。適切な言葉に変換して。

出力:
もちろんです。どのような文を敬語に変換したいか、具体的に教えていただけますか?

適切な言葉に変換してが入力部分であり、敬語にしてくださいが指示です。
しかし、どこが入力部分なのかわからず、生成AIから「もちろんです。どの文章を敬語にしたいか教えていただけますか?」と返ってきてしまいました。
生成AIへの依頼文が長くなり、複数の入力データがある場合、生成AIはますます迷ってしまうでしょう。

良い例は、次のようにトリプルクォーテーションなどで囲って入力部分をわかりやすくすることです。

実際にこのように、入力部分をわかりやすくします。
このようにトリプルクオートで入力部分をわかりやすくします。

トリプルクォーテーションで囲まれたテキストを、敬語にしてください。

"""適切な言葉に変換して。"""

出力:
「適切な言葉に変換して」を敬語にすると、以下のようになります。

「適切な言葉に変換していただけますでしょうか。」

ご参考までにどうぞ。

「適切な言葉に変換して」を敬語にすると、以下のようになります。「適切な言葉に変換していただけますでしょうか。」
と期待する結果が返ってきました。

このように区切り文字を使うことで、AIに正確な指示を出すことができるようになります。

手順を指定する

会社のメンバーに仕事を依頼する場合、仕事を完成させるための具体的な手順を伝えて上で仕事をしてもらった方がいいものができあがりますよね。
生成AIも同様です。
手順を指定すると、生成AIは理解しやすくなります。

まずは、手順を指定せずに、「桃太郎の勝因はなんですか?」と指示をしてみましょう。

# 指示
桃太郎の勝因はなんですか?

"""
# 入力データ
昔々、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川から大きな桃が流れてきました。おばあさんはその桃を家に持ち帰り、二人で切ってみると、中から元気な男の子が出てきました。
二人はその男の子を「桃太郎」と名付け、愛情を込めて育てました。桃太郎は成長するにつれて、とても強く、賢い若者になりました。ある日、鬼が島に住む鬼たちが村を襲い、村人たちの財宝を奪いました。桃太郎は村を救うために鬼を退治する決意をします。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎にきびだんごを持たせ、旅の無事を祈って送り出しました。旅の途中で、犬、猿、キジに出会います。桃太郎はそれぞれにきびだんごをあげ、仲間に加えました。
ついに鬼が島に到着した桃太郎たちは、力を合わせて鬼たちと戦いました。犬が噛みつき、猿が引っかき、キジが空から攻撃し、桃太郎はその力をもって鬼のボスを打ち負かしました。鬼たちは降参し、奪った財宝をすべて返しました。
桃太郎は仲間たちと共に村に戻り、村人たちに財宝を返しました。村は再び平和になり、桃太郎は英雄として村人たちに称えられました。
めでたし、めでたし。
"""

出力結果:
桃太郎の勝因は、いくつかの要素にあります。

仲間との協力
桃太郎が成功した大きな理由の一つは、犬、猿、キジという仲間たちとの協力です。彼らはそれぞれ異なる特技を持っており、桃太郎が与えたきびだんごによって仲間に加わり、力を合わせて鬼を倒すことができました。犬は噛みつき、猿は引っかき、キジは空から攻撃することで、鬼に対して効果的に戦うことができました。この協力がなければ、桃太郎一人では鬼に勝つのは難しかったでしょう。

戦略と準備
桃太郎はただ力任せに戦ったわけではなく、戦いに向けて仲間を集め、みんなの力を最大限に活かす戦略を取った点も重要です。また、鬼が島への旅の途中で、仲間たちを作ることで戦力を増強し、鬼に立ち向かう準備を整えました。

勇気と決断力
桃太郎は村人たちを守るため、恐れずに鬼退治に立ち向かう決断をしました。鬼が島への道程は危険で困難だったにもかかわらず、彼は迷うことなく行動しました。この勇気が彼を勝利に導いた要因の一つです。

鬼の弱点をついた戦い
最終的に、鬼たちは桃太郎とその仲間たちの連携に屈し、奪った財宝を返すことになりました。桃太郎たちの一致団結した戦いによって、鬼たちも降参せざるを得なかったという点が勝因です。

これらの要素が重なり合い、桃太郎は鬼を倒し、村を平和に導くことができました。

生成されました。
しかし、勝因の最も重要な要素を特定したかったとします。
また、あなた自身はいつも、3つのステップで勝因の分析をしていたとします。
その場合は、具体的な手順を提示してあげると良いです。
具体的には、

  1. 成功のために必要な要素を洗い出す
  2. 各要素がどの場面でどのように役立ったかを考える
  3. 最も重要だった要素を特定し、その理由を説明する
    といったようなステップです。
    ちなみに、これは勝因の分析のフレームワークで、KSF、Key Success Factorsのフレームワークです。
    生成AIに対して、具体的な手順として、これを与えてみましょう。
    また、生成結果が長くなりそうなので、表形式でまとめてもらうように依頼をしましょう。
# 指示
桃太郎の勝因はなんですか?

ステップ1:成功するために必要な要素をすべて挙げてください。
ステップ2:それぞれの要素がどんな場面で役に立ったか考えてください。
ステップ3:一番重要だった要素を選び、その理由を説明してください。

# データ
"""
昔々、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川から大きな桃が流れてきました。おばあさんはその桃を家に持ち帰り、二人で切ってみると、中から元気な男の子が出てきました。
二人はその男の子を「桃太郎」と名付け、愛情を込めて育てました。桃太郎は成長するにつれて、とても強く、賢い若者になりました。ある日、鬼が島に住む鬼たちが村を襲い、村人たちの財宝を奪いました。桃太郎は村を救うために鬼を退治する決意をします。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎にきびだんごを持たせ、旅の無事を祈って送り出しました。旅の途中で、犬、猿、キジに出会います。桃太郎はそれぞれにきびだんごをあげ、仲間に加えました。
ついに鬼が島に到着した桃太郎たちは、力を合わせて鬼たちと戦いました。犬が噛みつき、猿が引っかき、キジが空から攻撃し、桃太郎はその力をもって鬼のボスを打ち負かしました。鬼たちは降参し、奪った財宝をすべて返しました。
桃太郎は仲間たちと共に村に戻り、村人たちに財宝を返しました。村は再び平和になり、桃太郎は英雄として村人たちに称えられました。
めでたし、めでたし。
"""

# 出力形式
要素、役に立った場面を表形式にまとめた上で、一番重要だった要素とその理由を教えてください

出力結果:
# 桃太郎の勝因に必要な要素

以下の表は、桃太郎が勝利するために必要だった要素と、それぞれがどの場面で役に立ったかを示しています。

| 要素                | 役に立った場面                                                                                   |
|---------------------|-------------------------------------------------------------------------------------------------|
| 桃太郎の強さ         | 桃太郎は成長して非常に強く、鬼のボスを打ち負かす力を持っていました。                          |
| 賢さ                 | 旅の途中で犬、猿、キジを仲間に加える方法を考え、協力を得ることができました。                |
| 仲間との協力         | 旅の途中で犬、猿、キジにきびだんごを分け与え、彼らを仲間にすることで鬼退治に成功しました。   |
| きびだんご           | 犬、猿、キジを仲間に引き入れるための報酬として役立ち、協力を得るための重要なツールとなった。 |
| 鬼の財宝を取り戻す目的| 村人を助けるため、鬼退治を決意し、目的を持ち続けて行動しました。                             |
| 村人の支援と応援     | 村の人々の期待と祈りが桃太郎を勇気づけ、成功に向けて動機づけとなりました。                  |

## 一番重要な要素: **仲間との協力**

### 理由:
桃太郎が鬼を退治できた最大の要因は、犬、猿、キジという仲間たちの協力です。それぞれの動物が自分の特技を生かして戦い、桃太郎との連携で鬼たちを打ち倒しました。もし桃太郎が一人で鬼の島に向かっていた場合、鬼の強さには太刀打ちできなかったかもしれません。仲間たちと力を合わせることによって、桃太郎は鬼退治を成功させ、財宝を取り戻し、村を救うことができました。

要素を洗い出してくれましたよね。
例えば、要素として桃太郎の強さ、そして、役に立った場面として「桃太郎は成長して非常に強く、鬼のボスを打ち負かす力を持っていました」と伝えています。
他にも、要素として「きびだんご」をあげています。役に立った場面として「犬、猿、キジを仲間に引き入れるための報酬として役立ち、協力を得るための重要なツールとなった」と言っています。
そして、最大の要因も分析してくれ、「桃太郎が鬼を退治できた最大の要因は、犬、猿、キジという仲間たちの協力です」と言っています。
これが最大の要因であるのは「それぞれの動物が自分の特技を生かして戦い、桃太郎との連携で鬼たちを打ち倒しました」と説明してくれています。
非常に良いですよね。

今回は桃太郎を例にあげました。
桃太郎の話は、比較的単純です。
複雑なタスクであればあるほど、一つずつ段階を示すことで、指示通りの結果が得られやすくなります。
また、このようなステップバイステップで指示を出した方が、生成される精度が高いという研究結果も出ています。
このようなテクニックのことを、「Chain of Thought」といいます。
これはのちの動画で詳しく説明しますね。

具体的な例を挙げる

人の場合であって、抽象的な指示だけでは、意図が伝わらないことがありますよね。
生成AIも同じです。
そんなときは、具体的な例を出してみましょう。

例えば、特定のトーンやスタイルで答えてほしい場合、そのサンプルを見せると、AIはそれを真似しやすくなります。
「挑戦とは何ですか?」と単純に指示をしてみましょう。

挑戦とは何ですか?

出力:
挑戦とは、自分の限界や困難を乗り越えるために、あえて新しいことに取り組んだり、難しい目標に向かって努力することです。挑戦は、成長や自己改善の機会を提供する一方で、失敗や挫折のリスクも伴いますが、それを乗り越えることで得られる達成感や学びが大きな価値となります。

具体的には、未知の領域に踏み込むこと、計画通りにいかない状況に対応する力を養うこと、そして自分自身の成長を実感することが挑戦の本質です。挑戦を通じて得られる経験は、単なる結果よりもその過程や学びが重要なことも多いです。

自分にとって何が挑戦かは人それぞれ異なりますが、どんな形であれ挑戦は人生をより豊かにする要素を持っています。

生成されました。
しかし、これがイメージと違ったとします。
自分のイメージを、具体例として与えてみましょう。
「成長とは何ですか?」
と問われたら、
「成長とは、昨日の自分より一歩前に進むことです。それは、土に根を張りながらゆっくりと伸びていく木のようなものです。時間が経つほど強く、大きくなります。」
というイメージで答えて欲しいとします。

そして、もう1つ例を与えてみましょう。
「学びとは何ですか?」
と問われたら
「学びとは、新しい知識や経験を取り入れることです。それは、乾いた大地に雨が降り注ぎ、豊かな実りを育むようなものです。」
というイメージで答えて欲しいとします。

これを回答例として与えます。
改めて、「挑戦とは何ですか?」と質問してみましょう。

質問例1: 「成長とは何ですか?」
回答例1:「成長とは、昨日の自分より一歩前に進むことです。それは、土に根を張りながらゆっくりと伸びていく木のようなものです。時間が経つほど強く、大きくなります。」

質問例2: 「学びとは何ですか?」
回答例2:「学びとは、新しい知識や経験を取り入れることです。それは、乾いた大地に雨が降り注ぎ、豊かな実りを育むようなものです。」

新しい質問: 「挑戦とは何ですか?」

出力:
質問: 「挑戦とは何ですか?」
回答: 「挑戦とは、自分の限界を越えようとする勇気のことです。それは、荒れた海を越えて新しい島を目指す船のようなもので、どんなに風が強くても、波が高くても、その先に何かを見つけるために進み続ける力です。」

生成されました。
「挑戦とは、自分の限界を越えようとする勇気のことです。それは、荒れた海を越えて新しい島を目指す船のようなもので、どんなに風が強くても、波が高くても、その先に何かを見つけるために進み続ける力です。」と返ってきました。
私が与えた例に似ていますよね。

このように具体的なやり取りを示すことで、AIはあなたの求める回答のスタイルを正しく理解できますよ。
この方法は「フューショット(Few-shot)」と呼ばれています。
この方法は、のちの動画で詳しく解説をしますね。

希望する長さを指定する

AIに情報を要約してもらいたいとき、どれくらいの長さで答えてほしいのかを明確に伝えると効果的です。
単純に「桃太郎の話を要約してください」とだけ依頼をしてみましょう。

# 指示
桃太郎の話を要約してください

# 入力データ
"""
昔々、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川から大きな桃が流れてきました。おばあさんはその桃を家に持ち帰り、二人で切ってみると、中から元気な男の子が出てきました。
二人はその男の子を「桃太郎」と名付け、愛情を込めて育てました。桃太郎は成長するにつれて、とても強く、賢い若者になりました。ある日、鬼が島に住む鬼たちが村を襲い、村人たちの財宝を奪いました。桃太郎は村を救うために鬼を退治する決意をします。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎にきびだんごを持たせ、旅の無事を祈って送り出しました。旅の途中で、犬、猿、キジに出会います。桃太郎はそれぞれにきびだんごをあげ、仲間に加えました。
ついに鬼が島に到着した桃太郎たちは、力を合わせて鬼たちと戦いました。犬が噛みつき、猿が引っかき、キジが空から攻撃し、桃太郎はその力をもって鬼のボスを打ち負かしました。鬼たちは降参し、奪った財宝をすべて返しました。
桃太郎は仲間たちと共に村に戻り、村人たちに財宝を返しました。村は再び平和になり、桃太郎は英雄として村人たちに称えられました。
めでたし、めでたし。
"""

出力:
桃太郎の物語は、ある村のおじいさんとおばあさんが、川で流れてきた大きな桃を見つけ、その中から元気な男の子が出てきたことから始まります。二人はその子を「桃太郎」と名付けて育てます。桃太郎は成長し、鬼が島の鬼たちに村が襲われたことを知り、鬼を退治するために旅に出ます。

旅の途中で、犬、猿、キジと出会い、それぞれにきびだんごを渡して仲間にします。鬼が島に到着した桃太郎たちは力を合わせて鬼と戦い、鬼のボスを倒し、奪われた財宝を取り戻します。桃太郎は村に帰り、財宝を村人たちに返して村を平和にします。

桃太郎は英雄として称えられ、物語はめでたし、めでたしで終わります。

生成されました。
しかし、これがイメージより長かったとします。
その場合は、100文字以内で要約してくださいと依頼をしてみましょう。

# 指示
桃太郎の話を100文字以内に要約してください

# 入力データ
"""
昔々、ある村におじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。すると、川から大きな桃が流れてきました。おばあさんはその桃を家に持ち帰り、二人で切ってみると、中から元気な男の子が出てきました。
二人はその男の子を「桃太郎」と名付け、愛情を込めて育てました。桃太郎は成長するにつれて、とても強く、賢い若者になりました。ある日、鬼が島に住む鬼たちが村を襲い、村人たちの財宝を奪いました。桃太郎は村を救うために鬼を退治する決意をします。
おじいさんとおばあさんは、桃太郎にきびだんごを持たせ、旅の無事を祈って送り出しました。旅の途中で、犬、猿、キジに出会います。桃太郎はそれぞれにきびだんごをあげ、仲間に加えました。
ついに鬼が島に到着した桃太郎たちは、力を合わせて鬼たちと戦いました。犬が噛みつき、猿が引っかき、キジが空から攻撃し、桃太郎はその力をもって鬼のボスを打ち負かしました。鬼たちは降参し、奪った財宝をすべて返しました。
桃太郎は仲間たちと共に村に戻り、村人たちに財宝を返しました。村は再び平和になり、桃太郎は英雄として村人たちに称えられました。
めでたし、めでたし。
"""

出力形式:
桃太郎は、桃から生まれた男の子で、鬼を退治して村を救うために旅に出る。犬、猿、キジと協力し、鬼を打ち倒し、奪われた財宝を取り戻す。

生成結果の文字数は65文字です。100文字以内に要約されました。

このように具体的な長さなどを定量的に伝えることで、期待通りの回答を得やすくなります。
1点注意点です。
生成AIは、厳密な文字数指定は、得意ではないです。
例えば、「1000文字で書いてください」と指示をしても、きっちり1000文字通りになることは非常に少ないです。
生成AIは確率的なモデルに基づいており、厳密な文字数制御が難しいためです。
厳密な文字数にはならないことは覚えておきましょう。

この記事の執筆・監修

キノコード
キノコード    

テクノロジーアンドデザインカンパニー株式会社のCEO。
日本最大級のプログラミング教育のYouTubeチャンネル「キノコード」や、プログラミング学習サービス「キノクエスト」を運営。
著書「あなたの仕事が一瞬で片付くPythonによる自動化仕事術」や、雑誌「日経ソフトウエア」や「シェルスクリプトマガジン」への寄稿など実績多数。

まとめ

この動画で学んだことをまとめます。

・明確な指示を書くための6つのポイントを理解した
・具体的な指示や役割設定で、AIの応答が向上する
・手順の指定や具体例で、期待通りの結果を得られる

明日から、これらのポイントを活用してプロンプトを作成してみましょう。

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