【DX超入門講座】10.DX人材とは?|5種類のDX人材職種とその役割

DX超入門講座

前回の動画では、DXリテラシーを身につける方法について説明をしました。
このDXリテラシーは、すべてのビジネスパーソンが身につけるべきスキルです。
そして、DXリテラシーを身につけた人のうち、実際にDXを推進する人材が生まれてきます。
この動画では、DXを推進する人材のことをDX人材と名付けます。
このDX人材について、この動画では、詳しく解説をしていきたいと思います。

この記事の執筆・監修

キノコード
キノコード

テクノロジーアンドデザインカンパニー合同会社のCEO。
日本最大級のプログラミング教育のYouTubeチャンネル「キノコード」や、プログラミング学習サービス「キノクエスト」を運営。
著書「あなたの仕事が一瞬で片付くPythonによる自動化仕事術」や、雑誌「日経ソフトウエア」や「シェルスクリプトマガジン」への寄稿など実績多数。

DX人材とは?

DX人材の説明に入る前に、DXリテラシーについて、復習をしましょう。
DXリテラシーとは次の4つです。
1つめ。企業にDXが必要であることをわかっている。
2つめ。データとデジタル技術を活用をして、どんなことができるのか?がわかることです。
3つめ。データとデジタル技術を活用をした自動化や効率化を、どのぐらいの時間をかければできるのか?がわかる。
4つめ。これからの時代、変化に対応していくために、学び・成長していくという心構えが必要であることがわかっている
これらが備わっている人材が、DXリテラシー人材です。

では、DX人材とは何か?
このDXリテラシーをベースに、専門的なスキルがある人がDX人材です。
経済産業省のIT政策実施機関である情報処理推進機構(IPA)の定義を借りると次の5つです。

1つめ。ビジネスアーキテクト。
2つめ。デザイナー。
3つめ。データサイエンティスト。
4つめ。ソフトウェアエンジニア。
5つめ。サイバーセキュリティスペシャリスト。

詳しくみていきましょう。

DX人材の5つの類型

ビジネスアーキテクト

まずはビジネスアーキテクトからです。
ビジネスアーキテクトは、テクノロジーを使った自動化・効率化、新しいビジネスモデルなどを設計します
IPAの定義だとビジネスアーキテクトは、3つです。
社内業務の効率化を実現するビジネスアーキテクト、既存事業の高度化を実現するビジネスアーキテクト、新規事業開発を実現するビジネスアーキテクトです。
社内業務の効率化のビジネスアーキテクトは、社内の仕事をテクノロジーを使って自動化・効率化の仕組みを作る人です。
既存事業の高度化のビジネスアーキテクトは、テクノロジーを使って今あるビジネスをさらに良くする人です。
新規事業開発のビジネスアーキテクトは、テクノロジーを使った新しいビジネスを考えて始める人です。

社内業務の効率化と既存事業の高度化のビジネスアーキテクトの違いがわかりにくいかもしれません。
社内業務の効率化は、人がやっていた仕事を、テクノロジーで代替えして作業を減らす人で、
既存事業の高度化は、AIなどの新しい技術を使って商品を改良する人です。
違いがわかりましたでしょうか?
ビジネスアーキテクトの仕事をみると、DXとは、社内業務の効率化、既存事業の高度化、新規事業開発を目指して進めていくということがわかります。
ちなみに、社内業務の効率化は、会社の外にいる人、つまり、対外的に見えないものです。
新規事業開発と既存業務の高度化は、対外的に見えるものです。
また、社内業務の効率化は、新規事業開発と既存業務の高度化のリソースを確保するためのものです。
したがって、DXは、社内業務の効率化から始めるとよいでしょう。

ビジネスアーキテクトについてまとめます。
ビジネスアーキテクトは、DXのビジョンや戦略を企業の経営目標に合わせて設計をする人です。そして、事業モデルやプロセスの変革を推進します。
DXでは、デジタル技術を使って企業全体のビジネスモデルを根本的に再設計する必要があります。ここで、ビジネスアーキテクトが重要な役割を果たします。

デザイナー

次にデザイナーです。
デザイナーは、製品やサービスのデザインを担当し、ユーザー体験を設計します。
デザインという単語を聞くと、ビジュアルデザインをイメージするかもしれません。
しかし、デザインという単語には、設計という意味もあります。
したがって、サービス体験の設計するデザイナーも含みます。
IPAの定義だとデザイナーは、次の3つです。
サービスデザイナー、UI/UXデザイナー、グラフィックデザイナーです。
サービスデザイナーは、サービス全体の仕組みを考えて作る人です。
UI/UXデザイナーは、アプリやウェブの使いやすさと見た目を設計する人です。
具体的には、ユーザーが使いやすいユーザーインターフェイスや、心地よく感じるようなサービス体験の設計を作り上げます。
グラフィックデザイナーは、画像、色、フォントなどの視覚的なデザインを作る人です。

デザイナーについてまとめます。
デザイナーは、ユーザー体験やインターフェースのデザインを行う人です。
DXでは、顧客体験の向上が競争力を左右するため、ユーザーにとって直感的で使いやすいデザインが求められます。
デザイナーには、デジタル技術を活用した、新しい製品やサービスの使いやすさと魅力を高め、競争力を上げる役割があります。

データサイエンティスト

次に、データサイエンティストです。
IPAの定義だとデータサイエンティスは、次の3つです。
データビジネスストラテジスト、データサイエンティストプロフェッショナル、データエンジニアです。
データビジネスストラテジストは、データを使って、ビジネスの計画を立てる人です。
データサイエンスプロフェッショナルは、データを分析し、役立つ情報を見つける人です。
データエンジニアは、データを使いやすく整理して、データ分析などをするための準備する人です。
具体的には、データの収集したり、データを管理をしたり、データ分析する基盤を整えます。
データエンジニアは、データサイエンティストが活躍できる土台作りをする人といってもいいでしょう。

データサイエンティストについてまとめます。
DXの基盤はデータであり、そのデータを活用して新たな価値を創出することが不可欠です。
データサイエンティストがビジネスインサイトを引き出すことで、競争優位性を確保できると言えます。

ソフトウェアエンジニア

続いて、ソフトウェアエンジニアです。
ソフトウェアエンジニアにはフロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、クラウドエンジニア/SRE、フィジカルコンピューティングエンジニアがあります。
フロントエンドエンジニアはユーザーが直接触れる部分を、バックエンドエンジニアはユーザーが直接触れない部分、つまり、サーバーサイドを担当します。
クラウドエンジニアはクラウド環境を構築をします。ネット上のサーバーやデータを管理し、効率よく使えるようにします。
SREとは、Site Reliability Engineeringの略で、サイト信頼性エンジニアリングのことです。
つまり、SREは、サービスが安定して動くように、問題を見つけて直す人です。
フィジカルコンピューティングエンジニアはハードウェアとソフトウェアの統合を行います。
コンピュータと機械をつなげて、新しい仕組みを作る人です。

ソフトウェアエンジニアについてまとめます。
ソフトウェアエンジニアは、DXのためのシステムやアプリケーションを開発・運用します。
DXには、柔軟でスケーラブルなソフトウェアシステムが不可欠です。エンジニアがそれを支える技術的基盤を構築します。
ソフトウェアの進化がDXの進行に直接影響を与えるとも言えるため、重要であることがわかります。

サイバーセキュリティ

最後にサイバーセキュリティスペシャリストです。
サイバーセキュリティスペシャリストには、サイバーセキュリティマネージャーとサイバーセキュリティエンジニアがあります。
サイバーセキュリティマネージャーは、セキュリティの計画を考えて指示する人です。
サイバーセキュリティエンジニアは、セキュリティの計画をもとに、実際にセキュリティ対策を実装する人です。

サイバーセキュリティスペシャリストについてまとめます。
サイバーセキュリティスペシャリストは、DXに伴うデジタル環境のセキュリティを確保します。
デジタル化が進むと、サイバー攻撃のリスクも増大します。そのため、情報を守るための強固なセキュリティ対策が必要です。
サイバーセキュリティスペシャリストは、安心してデジタル技術を活用できる環境を整える役割があります。

まとめ

この動画では、DX人材として定義されている5つの職種について詳しく説明しました。
DX人材とは、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティスペシャリストの5つです。
それぞれがDXを効果的に推進するために、専門的なスキルを持ち、重要な役割を担っていることがわかりましたね。
そして、これら5つの役割は、互いに連携することで、企業のデジタル変革を支えることが求められます。
では、企業にとって、具体的にどんな職種のDX人材が必要なのか。
また、そのDX人材をどのように確保するか。
次の動画では、DX人材確保の方法として、育成するか採用するかの2パターンについて説明します。
そのあとで、どんなDX人材が必要なのかを判断するためのDX戦略や人材育成サイクルについて説明します。

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キノコードを運営するテクノロジー アンド デザインカンパニーにはDX人材を育成するキノクエストforBizという法人向けサービスがあります。
キノクエストforBizでは、DXリテラシー人材を育成するベーシックプラン、DX推進人材を育成するスタンダードプランというものがあります。
ベーシックプランでは、ITパスポート、生成AI、Office系、pythonなどのプログラミングやSQLの基礎を学習できるプランです。
今後、情報セキュリティマネジメント試験対策、生成AIパスポート対策、G検定などのコンテンツも追加していく予定です。
また、スタンダードプランではデータ分析や機械学習のハンズオンの課題に挑戦できます。
データ分析、統計、アプリ開発、教師あり機械学習、教師なし機械学習、画像認識、強化学習、AWS、PowerBIやTableau、PowerAutomate、PowerAppsなど。
DX人材に必要なスキルを統合的に学習ができます。
e-ラーニングにて、いつでも学習できるようにしておき、立ち上がった人をスタンダードプランに移行するような仕組みを作っておくとよいでしょう。
企業さまのニーズにあったプランが弊社には提案可能です。
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